SBI・楽天証券で買えるベトナムETF【VNMが買えない方向け】

SBI・楽天証券で買えるベトナムETF【VNMが買えない方向け】

ベトナム株をポートフォリオに入れようとすると、ベトナムの主要企業に分散投資できるETFであるVNMがまず選択肢として挙がると思います。しかし、国内証券会社で取扱している証券会社はマネックス証券のみで、SBI証券と楽天証券で長期投資を行っている私は購入ができないので残念だなと思っていました。
ところが、香港ドル建てのdbx-トラッカーズ-FTSEベトナムETF(3087)がSBI証券と楽天証券でネット購入できることを発見しました。
この記事ではマネックス証券でVNMを買う場合と、SBI証券と楽天証券で3087を購入する場合のメリット・デメリットの比較した上で、VNMと3087の比較を行います。

VNMとは

VNMは米国の投資会社であるVanEckが運用しており、ベトナム国内の主要な上場企業の株式に投資しています。VNMは米国株式市場で取引される最初のベトナムETFです。VNMは、FTSEベトナム指数に基づいており、銀行、石油、ガス、電力、通信などの産業に投資しています。投資家はVNMを通じてベトナム市場のポートフォリオを持つことができます。

dbx-トラッカーズ-FTSEベトナムETF(3087)とは

dbx-トラッカーズ-FTSEベトナムETF(3087)はドイツ銀行グループが運用しています。FTSEベトナム指数に連動するように設計されており、ベトナム国内の主要な上場企業の株式に投資しています。このETFの目的は、ベトナムの経済成長による投資機会を提供することです。

VNMと3087のどちらを購入すべきか

結論としては、取引手数料を安く抑えて自動で積立投資したい方はマネックス証券でVNMを購入することをオススメします。一方、SBI証券か楽天証券に既に口座をお持ちの方で、新たに口座開設するのが面倒だったり、1つの口座でポートフォリオ管理をしたい方は3087を購入した方がいいと思います。以下でその理由を説明します。

取引手数料

下表を見ると、楽天証券が最も手数料が安いように見えます。しかし、最低取引単元の10株で購入した場合は最低取引手数料が0米ドルのマネックス証券が手数料最安となります。また、定期買付サービスを提供しているのはマネックス証券のみです。そのため、少額で長期に購入を繰り返す積立投資を行うには、マネックス証券が一番優れていると思います。

証券会社ごとの手数料と定期買付サービス

証券会社SBI証券楽天証券マネックス証券
ETF30873087VNM
為替手数料(片道)5銭15銭25銭
取引手数料(税込)0.286%
(最低51.7香港ドル)
0.275%
(最低550円)
0.495%
(最低0米ドル)
定期買付不可不可
https://site2.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_foreign&cat1=foreign&cat2=cn&dir=cn&file=foreign_cn_02.html https://www.rakuten-sec.co.jp/web/foreign/china/commission.html https://info.monex.co.jp/us-stock/guide/fee.html 最新情報は左記リンク参照

出来高

長期投資するETFを選ぶ上で流動性が大きいことは、売買したいときに売買でき、スプレッドが狭くなるので重要です。下表のように、VNMの出来高は3087の約100倍であるため、流動性という観点ではVNM一択となります。

3087とVNMの基本情報

ティッカー3087VNM
名称dbx-トラッカーズ-FTSEベトナムETFヴァンエック・ベトナムETF
通貨建て香港ドル米ドル
構成銘柄数2128
出来高3,750434,622
純資産額(百万USD)289.285418.326
分配金利回り0%0.64%
経費率0.85%0.64%
運用会社ドイツ銀行グループヴァン・エック・グローバル
https://www.bloomberg.co.jp/quote/3087:HK, https://www.bloomberg.co.jp//quote/VNM:US 最新情報は左記リンク参照

経費率

VNMの経費率が0.64%であるのに対して、3087は0.85%です。VNMの方が優れていますが、3087も異常に高くはありません。

分配金利回り

VNMの分配金利回りは0.64%で経費分を相殺していますが、3087は分配金なしとなっています。これは3087が配当を全て再投資しているためです。

構成銘柄上位10社

構成銘柄上位10社のうち、5社(ヴィングループ、ヴィンホームズ、ホア・ファット・グループ、マサン・グループ、ベトナム・デアリ・プロダクツ、ノー・バー・ランド・インベストメント・グループ)が共通しており、3087の55%、VNMの35%を占めています。

3087構成比率(%)VNM構成比率(%)
1ヴィングループ(不動産)13.20ヴィングループ(不動産)9.33
2ヴィンホームズ(不動産)12.56ヴィンホームズ(不動産)7.62
3ホア・ファット・グループ(鉄鋼)11.79ホア・ファット・グループ(鉄鋼)6.31
4マサン・グループ(食品)10.67マサン・グループ(食品)5.83
5ベトナム・デアリ・プロダクツ(食品)7.26ノー・バー・ランド・インベストメント・グループ(不動産)5.79
6ノー・バー・ランド・インベストメント・グループ(不動産)6.67フォン・タイ・エンタープライズ(製靴)5.02
7サイゴン・セキュリティズ(金融)4.38エクラ・テキスタイル(衣料)4.99
8ビンコム・リテール(不動産)4.00ベトナム・デアリ・プロダクツ(食品)4.84
9ベトコムバンク(金融)3.45サコムバンク(金融)3.75
10ファットダット不動産開発2.65ベトジェット・アビエーション(航空)3.51
https://etf.dws.com/en-gb/AssetDownload/Index/4522e0b6-758b-4525-8bf0-e5ff7a56e132/Factsheet.pdf/ 最新情報は左記リンク参照
ヴィングループ

ヴィングループ (Vingroup JSC) は、ベトナムの複合企業であり、不動産、小売、観光、健康関連サービス、教育、農業などの事業を手がけています。ヴィングループは、2002年にヴー・チュン・タン(Pham Nhat Vuong)によって設立され、本社はハノイにあります。

ヴィングループは、不動産事業が主要な事業の1つで、高層マンション、住宅、オフィスビル、商業施設などの不動産開発を行っています。また、ヴィングループは、自動車メーカーであるVinFastを所有しており、世界初のベトナム製自動車を生産しています。さらに、小売事業として、VinMartとVinMart+の2つのスーパーマーケットチェーンを運営しています。

ヴィングループは、ベトナム経済に大きな影響を与える企業の1つであり、現在はベトナムの最大手民間企業の1つとして知られています。

ヴィンホームズ

ヴィンホームズ (Vinhomes JSC) は、ベトナムの不動産開発会社であり、ヴィングループの子会社です。ヴィンホームズは、高層マンション、住宅、オフィスビル、商業施設などの不動産開発を手がけており、ベトナム国内で最も有名な不動産開発会社の1つです。

ヴィンホームズは、現在ベトナム国内で最も大きな不動産開発事業者であり、ホーチミン市、ハノイ市を中心に、ベトナム国内の主要都市で多数のプロジェクトを手がけています。また、ヴィンホームズは、自社開発の高級住宅地であるVinCityを展開しており、都市生活に必要なインフラストラクチャーを提供することを目指しています。

ヴィンホームズは、ベトナムの不動産市場において大きな影響力を持っており、高品質で革新的な不動産開発を通じて、ベトナムの都市化と経済成長を支援しています。

ホア・ファット・グループ

ホア・ファット・グループ (Hoà Phát Group) は、ベトナムの複合企業であり、鉄鋼製品、不動産、建設、農業、医療などの事業を手がけています。ホア・ファット・グループは、1992年に設立され、本社はベトナム北部のハイフォン市にあります。

ホア・ファット・グループは、鉄鋼業界において主要なプレイヤーの1つであり、鋼鉄製品、スチールコイル、建材などの製造・販売を手がけています。また、ホア・ファット・グループは、不動産開発事業も手がけており、住宅、商業施設、オフィスビルの建設を行っています。さらに、農業事業では、食用油、畜産物、飼料などを生産しています。

ホア・ファット・グループは、ベトナム国内で最も大きな鉄鋼メーカーの1つであり、ベトナム国内での需要を満たすだけでなく、国際市場でも積極的に事業展開しています。ホア・ファット・グループは、ベトナム経済に大きな影響力を持つ企業の1つであり、ベトナム経済の成長と発展に重要な役割を果たしています。

マサン・グループ

マサン・グループ (Masan Group) は、ベトナムの総合的な消費財企業であり、食品・飲料、化学、採掘などの事業を手がけています。マサン・グループは、1996年に設立され、本社はベトナムのホーチミン市にあります。

マサン・グループは、主に食品・飲料業界に強みを持ち、調味料、ジュース、ビール、コーヒーなどの製品を手がけています。また、マサン・グループは、化学品事業も手がけており、家庭用品、医薬品、農薬、化学肥料などを製造・販売しています。さらに、採掘事業では、タングステン、錫、カオリン、石灰石などを採掘しています。

マサン・グループは、ベトナム国内での事業展開を積極的に行っており、自社ブランドの製品を提供することで市場シェアを拡大しています。また、外国企業との提携や買収により、国際市場にも進出しています。マサン・グループは、ベトナムの消費財産業において重要なプレイヤーの1つであり、ベトナムの経済発展に大きな貢献をしています。

ノー・バー・ランド・インベストメント・グループ

ノー・バー・ランド・インベストメント・グループ (Novaland Investment Group) は、ベトナムの不動産企業であり、主に住宅・商業用不動産の開発・販売を手がけています。ノー・バー・ランド・インベストメント・グループは、1992年に設立され、本社はベトナムのホーチミン市にあります。

ノー・バー・ランド・インベストメント・グループは、高級住宅、商業施設、オフィスビル、ホテルなど、多様な種類の不動産を開発しています。また、ノー・バー・ランド・インベストメント・グループは、自社ブランドのコンドミニアム「ノーバーリバーサイド」を展開しており、高い人気を誇っています。

ノー・バー・ランド・インベストメント・グループは、ベトナム国内での事業展開に加えて、海外にも進出しており、カンボジア、アメリカ、オーストラリア、日本などで不動産開発事業を行っています。ノー・バー・ランド・インベストメント・グループは、ベトナムの不動産市場において、高品質な不動産開発事業を提供することで、業界のリーディングカンパニーの1つとなっています。

セクター比率

3087とVNMは不動産と生活必需品セクターが大きくなっており、3087の58%、VNMの43%を占めています。

3087のセクター比率
3087のセクター比率
https://etf.dws.com/en-gb/AssetDownload/Index/4522e0b6-758b-4525-8bf0-e5ff7a56e132/Factsheet.pdf/ 最新情報は左記リンク参照
VNMのセクター比率
VNMのセクター比率
https://www.vaneck.com/us/en/investments/vietnam-etf-vnm/ 最新情報は左記リンク参照

株価推移

3087とVNMは同様の値動きをしています。

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